外免切替の厳格化 — 2025年10月1日に変わった3つのこと
内容の最終確認日
2025年(令和7年)10月1日、道路交通法施行規則の一部改正が施行され、外免切替の手続きが変わりました。大阪府警察はこの改正を「住所確認、知識確認、技能確認が厳格化されました」と説明しています。変わったのはこの3点です。順に、警察の公表内容だけで確認していきます。
1つめ:住所確認 — 短期滞在では申請できなくなりました
神奈川県警察は、2025年10月1日から外国籍の方の住所確認が厳格化され、住民基本台帳法の適用を受けない外国籍の方は、外交官や領事館職員などの限られた方を除いて、免許の取得や更新ができなくなったと公表しています。これは免許試験、更新手続、住所変更手続のすべてに及びます。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 適用を受ける(申請できる) | 中長期滞在者、特別永住者、一時庇護(3か月以上)許可者 |
| 適用を受けない(原則として申請できない) | 観光等の短期滞在者、仮放免の決定を受けている者、領事館職員 |
領事館職員などは例外にあたり、住民票の写しの代わりに外務省発行の身分証明書や住所を証明する書類で申請できます。警察庁も、住民基本台帳法の適用を受けない外国籍の方は法令で定める例外的な場合を除き原則として運転免許の申請ができないと明記しています。
根拠 神奈川県警察「運転免許試験又は外国免許切替手続を受ける外国籍の方へ」/警察庁「外国の運転免許をお持ちの方」
提出する書類も変わりました
住民基本台帳法の適用を受ける外国籍の方が外免切替を申請するときは、外国人に関する事項(特定事項)がすべて記載された住民票の写しを添付します。マイナ免許証を所持している場合を除き、有効な日本の運転免許証を持っていても住民票の写しは必要です。
特定事項とは、住民基本台帳法第30条の45により外国人住民の住民票に記載することとされている事項です。神奈川県警察は、国籍、在留資格、在留期限、在留期限の満期日、在留カードまたは特別永住者証明書の番号、同条に規定する区分を挙げています。
- 住民票に記載されている在留期限が経過している場合は受理されません。
- 在留カードは、コピーや行政書士等による預かり書では受理されません。
- 住民票は交付日から6か月以内のものを準備する必要があります(警視庁)。
- 大阪府警察は、住民票はコピー不可、個人番号(マイナンバー)が記載されていないものと指定しています。
根拠 神奈川県警察「運転免許試験又は外国免許切替手続を受ける外国籍の方へ」/警視庁「令和7年10月1日施行・改正道路交通法施行規則について」/大阪府警察「外国免許証から日本免許証への切り替え手続」
2つめ:知識確認 — イラスト10問から文章50問、合格基準は70%から90%へ
警視庁は、改正後の知識確認について「イラスト問題を廃止」「問題数を10問から50問へ変更」「10問中7問以上正解で合格から、50問中45問以上正解で合格へ変更」「午後1回のみ実施」と公表しています。神奈川県警察は同じ変更を、改正前後の対比として次のように示しています。
| 項目 | 2025年9月30日まで | 2025年10月1日から |
|---|---|---|
| 出題形式 | イラスト形式 | 文章形式(イラスト問題は廃止) |
| 問題数 | 10問 | 50問 |
| 合格基準 | 7問以上正解(70%以上) | 45問以上正解(90%以上) |
| 実施 | — | 午後1回のみ |
問題数が5倍になり、許される誤答は3問から5問に増えました。ただし割合で見ると70%から90%への引き上げで、要求される正確さは上がっています。加えて、出題形式が絵から文章に変わりました。文章形式の正誤問題は、条文の限定表現をそのまま突いてきます。
根拠 警視庁「令和7年10月1日施行・改正道路交通法施行規則について」/神奈川県警察「運転免許試験又は外国免許切替手続を受ける外国籍の方へ」
知識確認の形式、免除される国等、受験できる言語は別のページにまとめています。
3つめ:技能確認 — 課題が追加され、審査基準が厳格化されました
ここは都道府県ごとに公表内容が一致していない部分です。追加された課題の呼び方が、警察によって違います。
| 公表元 | 公表されている内容 |
|---|---|
| 警視庁(東京) | 「横断歩道の通過等の課題を追加」「審査基準の厳格化」 |
| 大阪府警察 | 「令和7年10月1日から、技能確認の走行コースが変更され、踏切通過、坂道等の課題が追加されます」 |
| 神奈川県警察 | 改正前は「坂道発進、踏切通過等の課題なし」、改正後は「坂道発進、踏切通過等の課題を追加」。あわせてコースも変更 |
3者に共通しているのは、走行コースに課題が追加され、審査が厳しくなったという点です。大阪府警察は、技能確認に一度で合格できるよう事前に交通ルールの確認と運転の練習をするよう求めており、練習の場として門真運転免許試験場のコース開放と府内の指定自動車教習所を案内しています。
根拠 警視庁「令和7年10月1日施行・改正道路交通法施行規則について」/大阪府警察「外国免許証から日本免許証への切り替え手続」/神奈川県警察「運転免許試験又は外国免許切替手続を受ける外国籍の方へ」
手続きの進め方も変わりました
大阪府警察は、2025年10月以降に実施する知識確認については書類審査を通過した時点で予約を取ることとなり、指定された日時に来場する形になったと公表しています。埼玉県警察では、書類審査そのものが完全予約制になり、知識確認も完全予約制になりました。
書類が揃っていなければ書類審査が通らず、書類審査が通らなければ知識確認の予約が取れません。書類の準備が試験対策より前の工程になったという意味で、これは実務上の大きな変更です。
根拠 大阪府警察「外国免許証から日本免許証への切り替え手続」/埼玉県警察「外国免許切り替えの申請手続の方法が変わりました」
2025年9月30日までに予約していた場合はどうなるか
神奈川県警察は、2025年10月1日以降に受験する人は、事前の予約の有無にかかわらず新しい方法により受験する必要があると明記しています。改正前に予約を取っていたことで、改正前の形式や合格基準が適用されるわけではありません。
受験日が10月1日以降であれば、知識確認は文章形式50問・45問以上正解、技能確認は追加された課題を含むコースで受けることになります。
「厳格化」として語られているが、警察の公表内容では確認できないこと
この改正については二次的な解説が大量に出回っており、警察が公表していない内容も混ざっています。このページを書くにあたって出典を探して見つからなかったものを、そのまま挙げておきます。
- 滞在実績の証明が厳しくなった
- 免許を取得した国等に通算3か月以上滞在していたことが条件であることは、警察庁も各府県警察も明記しています。ただし、その証明の水準が2025年10月1日に変わったと述べている警察のページは見つかりませんでした。要件が存在することは確かで、その日に厳しくなったかどうかは確認できていません。
- 改正の理由・背景
- 警察庁および東京・大阪・埼玉・神奈川の各警察の公表ページには、改正の理由についての記載がありません。理由を説明している解説は、警察の公表内容以外を根拠にしています。
- 合格率が下がった
- 外免切替の知識確認・技能確認の合格率は、上記のいずれのページでも公表されていません。改正前後の比較ができる公表データを確認できていません。
要件そのものの根拠は下記のとおりです。3か月以上の滞在要件は現在も条件であり、知識確認・技能確認を免除する29か国等の枠組みも現在も運用されています。
出典
このページの記載は、下記の公的機関の公表内容にもとづいています。手続の詳細は住所地の都道府県警察が所管しているため、申請前に必ず原典をご確認ください。
- 神奈川県警察「運転免許試験又は外国免許切替手続を受ける外国籍の方へ」
https://www.police.pref.kanagawa.jp/tetsuzuki/menkyo/mes83155.html - 警視庁「令和7年10月1日施行・改正道路交通法施行規則について」
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/oshirase/low.html - 大阪府警察「外国免許証から日本免許証への切り替え手続」
https://www.police.pref.osaka.lg.jp/tetsuduki/untenmenkyo/3694.html - 埼玉県警察「外国免許切り替えの申請手続の方法が変わりました」
https://www.police.pref.saitama.lg.jp/f0130/menkyo/gaikoku.html - 警察庁「外国の運転免許をお持ちの方」
https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/have_DL_issed_another_country.html - 警視庁「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには」
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/kokugai/kokugai05.html