外免切替とは — 制度の全体像と手続きの全工程

内容の最終確認日

外免切替(外国免許切替)とは、外国の行政庁等が発行した運転免許を持っている人が、その免許で運転できる自動車等に関する日本の運転免許を、試験の一部免除によって取得する手続きです。根拠は道路交通法第97条の2第3項で、申請先は日本での住所地を管轄する都道府県警察の運転免許センター等です。

「試験の一部免除」の意味

外免切替は、日本の運転免許を一から取る手続きではなく、免許試験の一部を免除してもらう申請です。警察庁は、申請にもとづいて運転について必要な知識等または運転に関する技能を確認し、運転することに支障がないと認められた場合に、免許試験の一部(学科試験、技能試験)が免除されると説明しています。

つまり、正式な学科試験と技能試験の代わりに、知識確認と技能確認を受けます。この2つは名前が違うだけの同じものではありません。問題数、合格基準、コースの課題がいずれも独自に定められており、2025年10月1日に大きく変わりました。

根拠 警察庁「外国の運転免許をお持ちの方」

対象になる人

全国共通の要件は3つです。

  1. 外国等の行政庁等が発行した有効な運転免許を受けていること。
  2. その免許を取得した後、当該外国等に通算して3か月以上滞在していたこと。出入国の証印のある旅券等、滞在期間を証明する資料が必要です。
  3. 住民基本台帳法の適用を受けていること。適用を受けない外国籍の方は、法令で定める例外的な場合を除き、原則として運転免許の申請ができません。

代理による申請は認められていません。必ず本人が申請します。申請するのは日本での住所地を管轄する都道府県です。大阪府警察は「住所地が大阪府内であること」、警視庁は「住所が東京都内の方」と明記しています。

根拠 警察庁「外国の運転免許をお持ちの方」大阪府警察「外国免許証から日本免許証への切り替え手続」警視庁「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには」

年齢と適性の要件(警視庁の公表内容)

  • 17歳6か月以上(普通二輪は16歳以上、中型免許は20歳以上、大型免許は21歳以上)。ただし普通免許・準中型免許の交付は18歳以上になってからです。
  • 普通および二輪免許は、視力が両眼で0.7以上、かつ一眼でそれぞれ0.3以上。一眼の視力が0.3に満たない場合や一眼が見えない場合は、他眼の視野が左右150度以上で視力0.7以上であること。
  • 準中型・中型・大型免許は、視力が両眼で0.8以上、かつ一眼でそれぞれ0.5以上で、三桿法の奥行知覚検査器による3回の検査の平均誤差が2センチメートル以下であること。
  • 過去に日本の運転免許を取得していて取消処分等(初心取消を除く)を受けた方は、受験前1年以内に取消処分者講習を受講し、かつ欠格期間の経過後でなければ受験できません。

根拠 警視庁「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには」

知識確認・技能確認が免除される29か国等

免許を取得した国等が下記に含まれる場合、知識確認と技能確認はどちらも免除されます。この場合の手続きは実質的に書類審査だけになります。

  • アイスランド、アイルランド、イギリス、イタリア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、モナコ、ルクセンブルク、台湾
  • アメリカ合衆国(オハイオ州、オレゴン州、コロラド州、バージニア州、ハワイ州、メリーランド州、ワシントン州に限る)

アメリカ合衆国インディアナ州の免許は、技能確認のみが免除されます。上記以外の国等の免許は、知識確認と技能確認の両方が必要です。免除の対象は「国」単位ではなく州単位で指定されている場合があるので、アメリカの免許は発行州で確認してください。

根拠 警視庁「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには」大阪府警察「外国免許証から日本免許証への切り替え手続」

必要書類

警察庁が挙げている必要書類は次のとおりです。取得国や取得状況によって追加の書類が必要になるため、最終的には申請先の都道府県警察が公表している国別一覧で確認してください。

  1. 申請書(あわせて、病気の症状等についての「質問票」の提出が必要です)
  2. 申請用写真1枚。申請前6か月以内に撮影した無帽・正面・無背景で胸から上が写っているもの、大きさ3.0×2.4センチメートル、裏面に氏名と撮影年月日を記入したもの
  3. 本籍(外国籍の方は特定事項)記載の住民票の写し
  4. マイナンバーカード、旅券等、本人であることを確認できる書類のいずれか1つ
  5. 外国等の行政庁等の免許に係る免許証(国際運転免許証は不可)
  6. その免許証の日本語による翻訳文。政令で定める者が作成したもので、運転できる自動車等の種類、免許の有効期限、免許の条件等の必要事項が明らかにされているもの
  7. 当該免許を取得後、当該外国等に通算して3か月以上滞在していたことが確認できる、出入国の証印のある旅券等の書類
  8. 手数料

根拠 警察庁「外国の運転免許をお持ちの方」

翻訳文を作れるのは指定された機関だけです

翻訳文は自分で訳したものでは通りません。警察庁は「外国の法定翻訳家は含まれません」と明記しています。作成できるのは次のいずれかです。

  • 免許証の発給機関、またはその国の在日の大使館・領事館
  • 台湾の免許証については台湾日本関係協会、ドイツの免許証についてはドイツ自動車連盟
  • 国家公安委員会が指定した法人 — JAF(日本自動車連盟)、ジップラス株式会社、一般社団法人訪日運転者支援協会

根拠 警察庁「外国の運転免許をお持ちの方」大阪府警察「外国免許証から日本免許証への切り替え手続」

原本主義と、コピーの要否

警視庁は「必要書類は全て原本をお持ちください。コピーでは受付できません」としています。一方で大阪府警察は、原本のほかに外国の運転免許証の表裏のコピーと、旅券の空欄以外の全ページのコピーを求めています。原本を持参し、そのうえで指定されたコピーも用意する、という組み合わせになります。ここは都道府県で運用が違うので、申請先の一覧で確認してください。

根拠 警視庁「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには」大阪府警察「外国免許証から日本免許証への切り替え手続」

手続きの順番

2025年10月以降、工程の順番自体が実務上の要点になりました。書類が揃わないと先に進めない構造になっています。

  1. 翻訳文を取得する。JAFの場合、日本国内からのオンライン申請で、発行までの目安はスイス・ドイツ・フランス・ベルギー・モナコ・台湾が平均2〜3営業日、それ以外の国が平均5〜10営業日です。
  2. 書類を全部揃える。埼玉県警察は、必要書類を全て揃えたうえで予約を取ること、揃っていない場合は予約をキャンセルして再度予約することを求めています。
  3. 予約を取る。方法は都道府県ごとに違います(東京都はWEB予約、大阪府は電話予約)。
  4. 書類審査と適性検査を受ける。
  5. 知識確認を受ける。大阪府では書類審査を通過した時点で予約を取り、指定された日時に来場します。
  6. 技能確認を受ける。警視庁は「技能確認は予約制のため受付当日には受けられません」と明記しています。埼玉県警察では知識確認の合格者にのみ予約方法が案内されます。
  7. 免許証の交付を受ける。

根拠 JAF(日本自動車連盟)「運転免許証翻訳文の発行サービス」埼玉県警察「外国免許切り替えの申請手続の方法が変わりました」大阪府警察「外国免許証から日本免許証への切り替え手続」警視庁「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには」

費用

手数料は都道府県が公表しています。下記は警視庁(東京都)の公表額です。

外免切替の手数料(警視庁の公表額)
区分金額
申請手数料(普通)2,500円
申請手数料(原付)1,600円
申請手数料(大型・中型・準中型)3,900円
申請手数料(その他)2,800円
交付手数料2,350円
併記手数料200円

これに翻訳文の費用が加わります。JAFは2026年7月1日に料金を改定し、日本の運転免許証に切り替える目的で申請する場合は6,600円(消費税10%込)としています。埼玉県警察では、手数料はキャッシュレス決済で納付します。

根拠 警視庁「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには」JAF(日本自動車連盟)「運転免許証翻訳文の発行サービス」埼玉県警察「外国免許切り替えの申請手続の方法が変わりました」

実際にどれくらいかかるか

手続きの日数について警察が公表している数字は限られていますが、埼玉県警察と大阪府警察が待ち時間に言及しています。

  • 翻訳文の発行に、2〜3営業日から5〜10営業日(JAFの目安)。
  • 埼玉県警察は「知識確認の予約は約3〜4か月程度お待ちいただいております」と公表しています。
  • 大阪府警察は「外国免許証から日本免許証への切り替え申請者が大幅に増加していますので、技能確認の指定日までに長期間かかる場合があります」としています。

根拠 JAF(日本自動車連盟)「運転免許証翻訳文の発行サービス」埼玉県警察「外国免許切り替えの申請手続の方法が変わりました」大阪府警察「外国免許証から日本免許証への切り替え手続」

不合格だったとき

技能確認は予約制です。警視庁は受付当日には受けられないと明記しており、日を改めて受け直すことになります。大阪府警察は、日本の交通ルールに従った運転ができる方に免許証を交付しているとして、技能確認は一度で合格できるよう事前に交通ルールの確認と運転の練習をするよう求めています。

練習の場として、大阪府警察は門真運転免許試験場のコース開放と府内の指定自動車教習所を案内しています。あわせて、技能確認に合格するには日本国内を走行する上で必要な法令等の知識が必要であり、受験前に道路交通法を確認するよう求めています。技能確認は運転操作だけの試験ではありません。

根拠 警視庁「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには」大阪府警察「外国免許証から日本免許証への切り替え手続」

交付される免許証

外免切替で交付される免許証について、警視庁が公表している内容です。

  • 新規に取得した運転免許証の有効期間は、交付日から3回目の誕生日の1か月後までです。
  • 有効期間を表示する欄の帯の色は緑色です。更新手続きの際に、免許継続期間や交通違反等の有無によって青色や金色に変わり、有効期間も5年になる場合があります。
  • 本籍(外国籍の方は「国籍等」)は免許証の券面には表示されません。ICチップに記録された内容はIC免許読み取り機で確認できます。
  • 生年月日は和暦で表示されます。
  • 初心運転者に該当する場合は、免許証の発行日から1年間、初心者標識を自動車の前後に表示して運転する必要があります。
  • 海外での免許経歴(提出された書類に基づいて認定された日)が3年に満たない場合は、その日数が免許証の裏面に表示されます。
  • 二輪車の2人乗りは免許経歴1年以上、高速道路での2人乗りは3年以上が必要です。

根拠 警視庁「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには」

出典

このページの記載は、下記の公的機関の公表内容にもとづいています。手続の詳細は住所地の都道府県警察が所管しているため、申請前に必ず原典をご確認ください。